今年も学生が巣立っていった。
この学年は、着任時の2年生。
設計課題をギリギリ教えた世代。
そして、研究室運営2年目から配属のため、色々と実験しつつも、色々なところに一緒に行き、喋り、怒り、語った。
卒業を祝う際に、手紙を渡した。
俺の書く手紙は、人生について。人となりについて。根本的に足りていない思想の話。
酷かなぁ、と思いつつ、人生で大切なことを最後に伝えるためにかく。
そしたら今年はお返しに手紙をもらった。
書いてあることはだいたい一緒だった。
こんなにも、2年間、話を真摯に聞いて、自分の頭で理解してくれていたのだと、ちょっぴり感動した。
今年は設計指導にも力を入れた。
今までは研究は指導するものだけど設計は自己責任と思っていた。
でも、設計も指導する必要があるんだな、と思い、
今年は一緒にブラッシュアップをした。
苦しみながらも学生が生み出した作品が、
方々で評価を受けたようでありがたい。
でも、嬉しいのは、卒制頑張った学生が満足そうにしていたこと。
安易に評価をうける回答に行かなかった学生がいたのもよかった。
俺だったら行っちゃうけど。いやぁ、芯が強い。
できなかったことはたくさんあるけど、
伝えられたこともたくさんある。
できたことや一緒にがんばれたこともたくさん。
みんな誇りを持って次の進路に進んで欲しい。
そして、最後の1期生が卒業。初めての修士が出た。
修士を教えることは、自己反省の連続。
自分が教えられていないことが、見事なまでにできていない点として表出する。
論文指導は人間指導。
とてもよく話を聞いてくれるからこそ、
自分が無意識に常識としてしまっている事項も洗い出される。
「なんでできないんだ?」
って怒ることがなくなった。人間的成長を促進してくれてありがとう。
自分が修士の頃と比べると取り組み方は雲泥の差。
本当によく頑張った。
ただただすごいと思う。
ここから先の応用は真に自己責任。頑張って欲しい。
社会で活躍できるようになるだけのスキルを身につけて卒業する。
ことができたと思う。
何が正しいのかを自分で考え、
的をえた表現ができるようになる。
その結果、周りに賛同者が現れるだけの行動力を持った状態になる。
そこに到達するには、やはり大学院の時間が必要なのだろう。
4年の時の後ろ姿と、M2で出る時の後ろ姿は完全に別人。
期待しかない。
3年経って、ようやく、本当の意味で教員になれた気がする。

おめでとう。さようなら。また会おう。
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