三陸沿岸には特徴的な民家建築がたくさんあります。
津波で多くが失われてしまいましたが、それでも沿岸部の残存集落には個性豊かな民家建築が残存しています。
宮城県北部の雄勝半島から登米にかけてのエリアは、言わずもしれたスレート屋根民家の地域。
大須浜の建築。壁にスレートが使われている。
北上川沿いをはじめ、同地域には板倉と呼ばれる立派な倉も数多く見られます。
北上川近くの板倉。小高い丘の上にある水害対策。
気仙沼の唐桑半島には、唐桑御殿と呼ばれる立派な建築も見られます。
鮪立の集落景観。大型マグロ船にのり1年の多くの期間家を空ける漁師は、妻のために大きな家を建てたと言われています。
そして今回の調査。
近代に東北で活躍した「気仙大工」という大規模大工集団をご存知でしょうか?
上述の板倉ももちろん、大須浜の民家も気仙大工の意匠が残っています。
今回の大船渡の漁村でも、やはり多くの気仙大工の意匠が確認されました。
大船渡の漁村。軒下の垂木などが代表的。手前の「ナガヤ」はせがい造りでできている。大船渡に多く分布。
「ナガヤ」は様々なものの収納、干すなどの生業と密接に関係した振る舞いを見せる。
こういった個性豊かな建築たちの素晴らしさを伝え、継承していければな、と思い、
細々と集落研究を続けています。
南三陸のキラキラ丼(冬)。眩しい。