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門脇邸の見学に行きました。


昨年末に明治大学の門脇さんに名城大学にてレクチャーしていただいた門脇邸。

アーキエイド時代にご一緒していた縁もあり、見学をお願いしたところ、ご快諾いただきました。アーキエイド時代に学生として一緒に頑張っていた、現在は教員の仲間たちと一緒に訪問しました。

以下、見学した感想です。

駅を降りて、素敵な街だなと歩み進めると、シュッとして、でも街に対して違和感のない外観の不思議な建築に出会う。凛として、でも格好をつけていない、街のエイジングと人の気配とともにあるような、そんな建築だった。

門脇さんに初めてお会いしたのは2012年。復興という複雑な事象を通して建築家が真剣に未来を模索する、アーキエイドの牡鹿半島復興支援という場で、常に的確な意見を発していた。同時に、我々下の世代に対して、暖かくも厳しい視点でいてくれた存在。

そんな門脇さんの自邸は、極めてクラシカルな建築言語を使っているものの、建築言語の使い方に変化を加えることで、独特の空間を形成していた。独特、というとつかみどころがないかもしれないが、その建築の中で巻き起こる感情や空間性は実に多様。でも、決して多様な空間を作ることに重きを置いていないように感じた。特にそんな印象を受けたのはリビング空間で、モノや建築の建築の構成物が居場所を規定しておらず、同一空間内に様々な場が形成されている。同居している複雑な場は、空間の快適性や生活上の要求によって意味合いが変わっていくような、どこか動きのあるような空間に感じた。そこでは様々な生活が流れている動画のようなイメージが想像できた。場が行為を規定するのではなく、行為や時間が建築を規定していくような、そんな空間。普段は窓辺や屋外空間、建築内の居場所空間などが秀逸な作品に触れることが多い自分にとって、とても面白く、深みのある体験を楽しんだ。

同時に、洞窟のような1階空間や、光の落とし方が美しい3階など、空間のコントラストも大事にされていたが、それらの空間にも人の気配を感じられるような工夫が見られた。

周囲の環境を肯定的に捉えており、外観での強い主張はない。でも、それでいて、面白がりつつ、ちょっとアイロニーで、でも美しく仕上げている姿が、実に門脇さんらしいな、と思った。

見学後には、お昼をご一緒し、ポスト復興支援世代の建築人についてのディスカッションができたのもとても楽しかった。常に的確な意見をいただけるのは復興支援の頃から変わらない。

お忙しい中、見学させていただきありがとうございました。

#建築まちに関して #作品見学

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