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nobusato

山形県飯豊町の散居景観

更新日:2020年1月1日


週末は美しき散居の郷、山形県飯豊町に行ってきました。

2年前から継続的に関わっているこの地域。美しき屋敷林と立派な茅葺民家が残されている地域。この未来を考えるための基礎調査をお手伝いしています。

今回は茅葺き民家に焦点をあて、住民の方にお話を聞く調査がメイン。

話を聞くととても勉強になり、わからなかったこともわかってきました。

茅葺屋根をや景観わ守るためにはシステムが必要で、そのシステムを考えながら正確に現状を把握していきます。

飯豊町では冬の間に季節風と吹雪から家を守る「カザライ」という敷地境界を設けます。

防風のカザライは同時に、カヤ自身を乾燥させる行程でもあります。

冬を通してよく乾燥させたカヤは、特シーズンの梅雨前に屋根として葺かれます。

写真は今年の葺き替えを終えた民家。

とても綺麗でした。

降ろしたカヤは肥料などに使われます。カヤの4次利用。素晴らしい。

こちらは今のシーズンと冬の同アングル。

冬は家をカヤが守ります。

カザライのアップ

この茅の敷地境界、茅葺き屋根がなくなると、必要性がなくなり、行われなくなります。

その逆もまた然りで、茅葺の材料を得られなくなると、屋根が変わっていく可能性も。

だからこのやり方を後世に伝えるためのシステムを考えたい、

というのが今回の調査の主目的です。

なので町内の茅葺をぐるりぐるりと。

冬はここにカザライがきます。

とっても綺麗な茅葺のお宅。内部も超おしゃれです。

内部。光と闇のコントラストが実に美しい。

築150年の民家は縄で垂木を繋いで、面戸板の代わりにカヤを詰めていました。

そこに住むおばあさんは山葡萄の枝を剥ぎ取り、それでカゴなどを自作します。

今の時期に皮をむいておいて、冬仕事でカゴを編むそうです。生活と季節が密接に結びついている様は美しかったです。

茅場の見学も。このススキを使うそうです。

調査のための調査ではなく、未来をよりよくするための調査。楽しく、かつ、クリエイティブでよいです。なにより、学びが誰かの役に立つこと。とても幸せです。

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