週末は美しき散居の郷、山形県飯豊町に行ってきました。
2年前から継続的に関わっているこの地域。美しき屋敷林と立派な茅葺民家が残されている地域。この未来を考えるための基礎調査をお手伝いしています。
今回は茅葺き民家に焦点をあて、住民の方にお話を聞く調査がメイン。
話を聞くととても勉強になり、わからなかったこともわかってきました。
茅葺屋根をや景観わ守るためにはシステムが必要で、そのシステムを考えながら正確に現状を把握していきます。
飯豊町では冬の間に季節風と吹雪から家を守る「カザライ」という敷地境界を設けます。
防風のカザライは同時に、カヤ自身を乾燥させる行程でもあります。
冬を通してよく乾燥させたカヤは、特シーズンの梅雨前に屋根として葺かれます。
写真は今年の葺き替えを終えた民家。
とても綺麗でした。
降ろしたカヤは肥料などに使われます。カヤの4次利用。素晴らしい。
こちらは今のシーズンと冬の同アングル。
冬は家をカヤが守ります。
カザライのアップ
この茅の敷地境界、茅葺き屋根がなくなると、必要性がなくなり、行われなくなります。
その逆もまた然りで、茅葺の材料を得られなくなると、屋根が変わっていく可能性も。
だからこのやり方を後世に伝えるためのシステムを考えたい、
というのが今回の調査の主目的です。
なので町内の茅葺をぐるりぐるりと。
冬はここにカザライがきます。
とっても綺麗な茅葺のお宅。内部も超おしゃれです。
内部。光と闇のコントラストが実に美しい。
築150年の民家は縄で垂木を繋いで、面戸板の代わりにカヤを詰めていました。
そこに住むおばあさんは山葡萄の枝を剥ぎ取り、それでカゴなどを自作します。
今の時期に皮をむいておいて、冬仕事でカゴを編むそうです。生活と季節が密接に結びついている様は美しかったです。
茅場の見学も。このススキを使うそうです。
調査のための調査ではなく、未来をよりよくするための調査。楽しく、かつ、クリエイティブでよいです。なにより、学びが誰かの役に立つこと。とても幸せです。