学会後には高岡へ。
飯豊町の散居に携わっていますが、点になっている感が否めなく。
他の地域の代表として砺波の状況を見にきました。
散居研究に関する蓄積がものすごく、なるほどこんな見せ方や場が必要なのか、と痛感する時間でした。非常に勉強になりました。
また、全体としては、砺波は薄めの屋敷林、というような印象です。
個々の散居にそれぞれの特徴がありそうです。
散居を散策していると不思議な建物も。
こちらは干し柿小屋だそうです。
すごい大開口...。産業が生み出す建築の力強さを感じました。
「産業建築」
最近の(個人的な)トレンドワードになっています。
今回は、富山大学講師で筑波大学時代の先輩、藪谷祐介先生と合流して散居を回ったのですが、
前夜祭で高岡で飲んでいて、nousakuというワインバーに二次会で。
そこは、東工大塚本研究室OBで東京電機大学准教授の能作文徳さんのご実家。
飲んでいると奥から能作さんが!
翌日、東工大安田研が高岡のゲストハウスの視察にくる、ということで、それに便乗して作品を見学させていただくことに。
ラッキー。
能作文徳さん、淳平さん兄弟・能作アーキテクツによる
「高岡のゲストハウス」
高岡の町のスケールの中に適切に佇む綺麗な空間でした。
屋根を切って、新しい建物の屋根に使うという大胆な操作がされているものです。
文化財では「大バラシ」という壁を丸ごと移す手法があるのですが、さながらその屋根版。
ダイナミックな操作がされていると同時に、個々の設計は細やかで丁寧。
特別なことはされておらず、丁寧な素材の選択の組み合わせで空間が積層されていました。建具や家具、色味の選択が、この土地の記憶を継承しつつ、新しい空間のスパイスとして利用されていて、美しさの中に心地よさを感じる空間でした。
風景の中でも違和感がない佇まいなのですが、
この建築が紡いだストーリーを体感したあとに街を歩くと、
街のいろんな景色の片鱗が思い出されます。
建築体験を通して街を翻訳してくれた。そんな感じでした。
いやぁ、いい建築と時間でした。
あと、富山ブラックラーメンのパンチ力にびっくりしました。