早いもので前期が終わり、採点に勤しんでいます。
前期は見知らぬオンライン授業というものにトライし、それでも教育の質を落とさないように努力を続けていた期間でした。2年ぶりに全授業をリニューアルして(不思議と2年周期で直している)、色々な学びの場面を提供しつつ、ゼミ生のモチベーションを維持しながら頑張れる環境を整えていた感じ。
なかなか先を見通せないフィールドワークは凍結。
個々のプロジェクトは速度を緩めつつ、できることを探しながら進めていく。
いいものを世に生み出す、という大きな目標はあるものの、
何がいちばん効果的か、この状況を言い訳にするのではなく、クリエイティブにする為に頭をフル回転した3ヶ月だった。
個人的な取り組みとしては、
移動が減り、読書の時間が減った分、毎週、2時間歴クチャー2本分くらいの動画インプットを入れるようにして、
オンラインでできるディスカッションの場面を積極的に作るようにした。
見知らぬ地名古屋と建築学科の教員として慣れるのに必死だった過去2年間より、考えることが多い時間でもあった。
そして、2020年の3月末に購入した、長野県塩尻市木曽平沢の昭和住宅(文化財)の設計施工を細々と進めた。
4月5月はオンラインへの準備が100&。
6月から少々余裕ができたので、屋根床壁などの既存の解体を進めつつ、自宅の設計を進めた。
7月からは施工を進め、断熱改修をして、床が貼って壁天井下地をあげて、電気屋さんと設備工事を終えたところ。
8月中に壁と天井の塗装前まで仕上げられるかなぁ。というところ。全てを自分でやるのは、とても時間がかかるけど、都度、自問自答しながら進められるのは幸せなことかもしれない。
自宅の改修は3期に分けて3年くらいで実施予定。
「住み直し」の建築論を編んだり、こういった選択肢を広げられたらいいなぁ、なんて考えながらの設計施工。 週4で大学業務して、週2で施工して、週1でイベント、みたいな生活。 自宅プロジェクトに関するエトセトラは、おいおい、まとめて紹介します。
生活のベースを長野に移したこと、そしてコロナ渦で考えることも多く、人生のフェーズが大きく動きそうな気配。
畑を借りて野菜を育て、育てた野菜を主食にする生活は、微生物・土・昆虫・植物、そして空気・水と、色々なものが積層され考えさせられる。正しいとか、正しくないとかは何もないけど、時間と効率性に主軸を置いて生きてきた生活の時と、気がつく音とか色とか匂いが違う。
ちなみに、自宅のある木曽平沢は盆入りの今日が祭りの日。
集落総出のお祭り(去年参加した)と、ご先祖様を迎える迎え火の村の花火がなくて少々寂しい。 それでも、中止にした大きな花火はないけど、やっぱり数発の花火は上がっていたし、子供のいる家では自分たちで花火をしていた。祭りはなくとも、みんな家の前に立派な提灯を出しているし、境界の縄も設置され、町からはお盆の気配を感じる。
長野は涼しいので自宅に冷房を設置していない。山に囲まれた集落の川沿いの家は、東西にある開口をどっちも開けると、扇風機を使わずとも常に風が流れる。夕方になると、山から降ろされる風が家の中を特に強く流れ、時計を見なくても時間を教えてくれる。そのために家々があるんだなぁ、と痛感する。
こういう生活が何を意味するのかはまだよくわからないけど、そんな時間軸を失った生活から未来を描こうとしていた自分を見つめ直している。
何かを言い訳にするくらいなら、その瞬間にしかできないことを探せばいい。
そんな気持ちで、日々、できることに勤しんでいければと。
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