top of page

設計学習編-02 設計能力を高めるために(思想力編)

思考の源泉は、知識量。

思想力を育むには、読書が一番です。


東海圏で活躍する建築家の方で、

建築業界でとても権威のあるSD reviewというアワードに複数回入賞している建築家と話していたら、

「20代は年間で本を100冊読んで、建築を100個見に行くのが当然だと修行時代に教わった。」

と仰っていました。

「関東の建築最前線の人は当然やっているから。」

とも言われたそうです。


僕は関東の建築最前線の皆さんがやっているのかをジャッジできませんが、

良い目安だと思いました。たぶん、僕でも、3/4くらいはクリアしていた。


学生におすすめしたいのは、書籍50、建築50。

厳しいように思いますが、実はそうでもありません。

新建築・住宅特集・a+u・GA houses・GA JAPAN・建築雑誌

などなど、建築系の雑誌はたくさんあります。

これらは毎月刊行されますので、このうち3つを定期購読する習慣を持つこと。


コツは、毎日30分、時間を取ることです。

僕の場合、毎日昼食時にこれらを読みます。

毎朝、大学図書館に行って30分読書をしてから始業するのも良いでしょう。

すると、1週間+αで1冊は読めるので、月に3冊の雑誌は読めます。

これを続けると36冊。


更に、毎月、読む本を1冊決めましょう。

そうすると、自ずと48冊になる。

あとは、建築家の本を2冊読むなどする。

こちらは、移動時間などを有効活用しましょう。

下宿している学生は、寝る前1時間。

スマホの代わりに本にすると、睡眠の質も向上します。


あと、特にお勧めしているのが、3ヶ月くらいで、同分野の本を5冊くらい一気に読むこと。特定の分野研究みたいなもんです。

そうすると、ある分野にめちゃくちゃ詳しくなります。

過去にやってきたのは

・福祉系

・環境問題

・セルフビルド

・職と日本人

などなど。


以下に、佐藤研究室の推薦図書を載せておきます。


◼️佐藤研究室(貝島研究室/アトリエ・ワン系列卒)必読書

・構成論系

 アトリエ・ワン:コモナリティーズ ふるまいの生産

 坂本一成, 塚本由晴ほか:建築構成学 建築デザインの方法

・集落・民俗系

 樋口忠彦:日本の景観

 B・ルドフスキー:建築家なしの建築

・住宅系

 安藤邦廣:住まいを四寸角で考える

 篠原一男:住宅論

・その他

 William McDonough:ゆりかごからゆりかごへ

 高田宏臣:土中環境

 家成俊勝:山で木を切り舟にして海に乗る

 能作文徳:野生のエディフィス 推薦書


◼️分野別

・都市

 北山恒,塚本由晴,西澤立衛:TOKYO METABOLISING

 槇文彦:見えがくれする都市

 北山恒:都市のエージェントは誰か

 小嶋一浩:小さな矢印の群れ

 芦原義信:街並みの美学

・思想・哲学・社会学

 多木浩二:生きられた家

 坂本一成:建築に内在する言葉

  Iイリイチ:シャドウワーク

  Iイリイチ:コンヴィヴィアリティのための道具

 ハンナ・アレント:人間の条件

 ブルーノ・ラトゥール:科学が作られているとき

 ブルーノ・タウト:日本美の再発見

 レヴィ・ストロース:野生の思考

 鯖田豊之:肉食の思想

 広井良典:ケアを問いなおす

 広井良典:ポスト資本主義

 武田晴人:仕事と日本人

 斉藤幸平:人新生の資本論

 國分 功一郎:暇と退屈の倫理学

 福岡伸一:動的平衡

 アナ・チン:マツタケ

・民俗学

 宮本常一:山に生きる人々

 宮本常一:忘れられた日本人

・計画学

 小野田泰明:プレ・デザインの思想

 五十嵐太郎:ビルディングタイプの解剖学

 C・アレグサンダー:パタンランゲージ

・民家集落

 安藤邦廣:小屋と倉 干す・仕舞う・守る・木組みのかたち

 山崎義人, 佐久間康富:住み継がれる集落をつくる

・世界遺産

 松浦晃一郎:世界遺産 ユネスコ事務局長は訴える

 毛利和雄:世界遺産と地域再生

・伝建・文化財・歴史

 大河直躬, 三舩康道:歴史的遺産の保存・活用とまちづくり

 日本建築学会:町並み保全型まちづくり (まちづくり教科書)

 ニコラス・ペヴスナー:モダンデザインの展開

・まちづくり

 建築学会:まち建築

 馬場正尊:CREATIVE LOCAL

 吉村生:暗渠マニアック


みんな、本を読んで思想を育むんだ!!


イメージ写真は、自身も2022-2023で編集委員を担当した建築雑誌。


ちなみに、東海圏でご活躍されていて尊敬する建築家・愛知淑徳大学の諸江一紀先生のお勧めは以下(過去のXから拝借)。真っ当な建築家は、思想系と建築系の本をたくさん読んでいる。わーお、たくさん!!


「ビーイング・デジタル」N. ネグロポンテ

「自己組織化と進化の論理」S. カウフマン

「部分と全体」W. ハイゼンベルク

「情報理論」甘利俊一

「SCALE」Geoffrey West

「空間の詩学」G. バシュラール

「東京の空間人類学」陣内秀信

「アインシュタインの時計 ポアンカレの地図」P. ギャリソン

「シマウマの縞 蝶の模様」S. キャロル

「日本建築の空間」井上充夫

「イタリア・ルネッサンスの建築」P. マレー

「暗号解読」S. シン

「ステルス戦闘機」B. リッチ

「名画を見る眼」高階秀爾

「マニエリスムと近代建築」C. ロウ

「マスメディアとしての近代建築」B. コロミーナ

「アルファベットそしてアルゴリズム」M. カルポ

「複製技術時代の芸術」W. ベンヤミン

「現代建築史」K. フランプトン

「ニューロマンサー」W. ギブソン

「ピクサー流創造するちから」E. キャットムル

「ロマネスク」H. フォション

「空間としての建築」B.ゼーヴィ

「陰翳礼讃」谷崎潤一郎

「建築の多様性と対立性」R. ヴェンチューリ

「ルイス・カーン建築論集」L. カーン

「見えない都市」I. カルビーノ

「Rhinoceros+Grasshopper 建築デザインハンドブック」ノイズ

「建築のかたちと空間をデザインする」

「建築意匠講義」

「都市と建築のパブリックスペース」

「建築20世紀」

「現代建築に関する16章」

「目を養い 手を練れ」

「安藤忠雄 建築を語る」

「建築のエッセンス」

「住まいの解剖図鑑」


おすすめの建築物の紹介はまた今度。

参考までに。

閲覧数:2,104回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page